「飲料以外の商品を自販機で無人販売したい」——そんな方に注目されているのが、富士電機製の多用途自販機「マルチくん」です。本記事では、マルチくんで何が売れるのか、商品を並べるための専用容器の仕組み、新品と中古の考え方、そして冷凍・冷蔵商品を売りたい場合の機種の住み分けまでを、自販機専門店の整備現場の目線で解説します。
マルチくん(多用途自販機)とは——常温物販ができる自販機
結論から言うと、「マルチくん」は飲料以外の常温商品を無人販売できる物販自販機です。お菓子・雑貨・日用品・アメニティ・お土産品など、これまで自販機では扱いにくかった商材を1台で販売できます。
じはんきやで扱う新品の多用途自販機「マルチくん(富士電機製 FRM10D5CZ2NM)」を例にとると、特徴は次のとおりです。
- 商品の形状に合わせられる「マルチラック」:おにぎりやパン、スナック菓子といった食品から、ハンカチ・マスク・グッズなどの雑貨まで、コラム幅を調整して幅広い商品に対応します。
- 10セレクションの品揃え:標準で70個、商品サイズによっては最大84個を収容でき、複数の商品を並べて販売できます。
- 2つの温度帯:冷蔵(10℃以下)と常温(20℃±5℃)から選べます。チョコレートなど溶けやすいものは冷蔵、雑貨は常温といった柔軟な運用が可能です。
- 屋内・屋外兼用:防雨設計で、軒先や駐車場など人通りの多い場所に設置して24時間の無人販売ができます。
- 新500円硬貨に対応:10円・50円・100円・500円に対応します。
本体サイズは幅745mm×奥行756mm×高さ1,830mm、質量は約248kg、年間消費電力量は585kWh/年です。設置スペースや電気代の目安を考えるときの基準にしてください。
飲料自販機・食品自販機・物販自販機それぞれの違いや特徴については、自動販売機の種類と活用方法でも整理していますので、あわせてご覧ください。
何が売れる?マルチくんの活用シーン
マルチくんが力を発揮するのは、「人がいない時間帯や場所でも、ちょっとした物を売りたい」というシーンです。代表的な活用例を挙げます。
- ホテル・宿泊施設のアメニティ販売:歯ブラシやスキンケア、飲み物以外の日用品を、フロントが無人になる時間帯でも提供できます。
- 観光地の土産・雑貨:ご当地グッズや小物、名産の焼き菓子などを、営業時間外でも取りこぼさずに販売できます。
- 店頭の物販強化:パン屋・和菓子屋・カフェなどが、閉店後も看板商品を売り続ける“もう一つの販売窓口”として活用できます。実際に、自動販売機の活用事例では、閉店間際の値引き販売をやめて売れ残りを自販機に回し、フードロスとチャンスロスの両方を減らしたパン屋さんの例を紹介しています。
- 工場・オフィスの軽食・日用品:休憩所にパンやスナック、常備しておきたい小物を置いておくと、従業員の利便性が上がります。
「常温の物販でどんな商品が売れるか」というアイデアは、プラ容器で実現する物販自販機ビジネスの記事でカテゴリー別に幅広く紹介しています。設置場所の客層に合わせて、売れ筋を組み立てていきましょう。
商品を販売するための工夫——専用プラ容器
自販機で物を売るうえで最初のハードルになるのが、「形が不揃いな商品や小さな商品を、どう安定して搬出するか」です。ここで役立つのが専用のプラ容器です。
マルチくん専用のクリアケース「専用プラ容器(富士電機製 F2637M7556)」は、そのままではコラムにセットできない雑貨やお菓子を入れて販売できるようにするための容器です。透明度の高いPET素材で中身が見えるため、商品パッケージのデザインを損なわずにアピールできます。マルチくんの搬出機構に合わせた形状で、詰まりなどのトラブルを防ぎます。
一方で、自販機で販売する以上、商品にはサイズと重量の制約があるという一般論も押さえておきましょう。極端に軽い商品は搬出時に安定しにくいことがあり、逆に大きすぎる・重すぎる商品はコラムに収まらないことがあります。「売りたい商品が容器に収まるか」「安定して搬出できるか」は、事前に確認しておきたいポイントです。
容器のサイズ選びや、容器を使った具体的な商品アイデアについてはプラ容器で実現する物販自販機ビジネスで詳しく解説しています。販売したい商品に合わせて最適な容器をご提案しますので、迷ったらお問い合わせください。
導入形態——新品と中古の考え方
マルチくんの導入には、新品と中古という2つの選択肢があります。それぞれ向き・不向きがあります。
新品は、メーカーの部品保証や最新の仕様を重視したい方、リースやローンで初期費用を平準化したい方に向いています。前述のとおり、じはんきやで扱う新品のマルチくん(FRM10D5CZ2NM)は803,000円です。
中古は、とにかく初期費用を抑えたい、まず1台試してみたいという方に向いています。整備済みで保証が付く専門店から買えれば、初期投資のハードルを大きく下げられます。じはんきやでは中古自販機を幅広く扱っており、機種や状態によって価格は変わります。
なお、マルチくんに限らず自販機の中古価格は、年式・状態・需給によって変動します。具体的な在庫や価格は時期によって入れ替わるため、最新の情報は中古自販機の在庫一覧でご確認ください。気になる機種があれば、設置場所や販売したい商品を伝えたうえでご相談いただくと、条件に合う個体をご提案しやすくなります。
冷凍・冷蔵商品を売りたい場合は別機種——住み分け早見表
マルチくんはあくまで常温・冷蔵の物販向けです。アイスや冷凍食品など、しっかり冷凍・冷蔵が必要な商品を売りたい場合は、別の機種が適しています。目的別の住み分けを整理すると次のようになります。
| 売りたい商品 | 適した機種 | 参考ページ |
|---|---|---|
| お菓子・雑貨・日用品・アメニティなど常温物販 | マルチくん(多用途自販機) | 本記事 |
| ラーメン・餃子・ケーキ・精肉など冷凍食品 | 冷凍自販機「ど冷えもん」 | ど冷えもんを中古で導入するガイド |
| 箱物・大型商品・受け取りロッカー型の販売 | ロッカー型自販機 | ロッカー型自販機の特徴 |
冷凍食品の無人販売を検討している方は、姉妹記事のど冷えもんを中古で導入するガイドで、中古機の選び方・電気代・売れる商品まで詳しく解説しています。「常温はマルチくん、冷凍はど冷えもん」という切り分けを最初に決めておくと、機種選びで迷いにくくなります。
食品を扱う場合の衛生面の注意
マルチくんで食品(お菓子・パン・惣菜など)を販売する場合は、衛生面の手続きが必要になることがあります。
包装済み・ラベル表示済みの食品を仕入れて販売する場合は「営業届出」で済むことが多い一方、自分で製造・小分けする場合などは営業許可が必要になることがあります。自治体(管轄の保健所)によって運用が異なる点にも注意が必要です。
手続きの詳細は本記事では深入りせず、ロッカー型自販機の保健所許可・法規制ガイドに譲ります。食品の届出や衛生管理、食品表示の考え方まで整理していますので、販売開始前に必ず確認し、まずは設置予定地の保健所へ事前相談に行きましょう。
よくある質問
マルチくんではどんな商品が売れますか?
お菓子・雑貨・日用品・アメニティ・お土産品など、飲料以外の常温(および冷蔵)商品を幅広く販売できます。形が不揃いな商品や小さな商品も、専用プラ容器に入れることで販売できるようになります。設置場所の客層に合わせた商材選びが売上を左右します。
マルチくんは中古でも買えますか?価格はどのくらいですか?
新品のマルチくん(FRM10D5CZ2NM)はじはんきやで803,000円です。中古は初期費用を抑えたい方に向いていますが、価格は年式・状態・需給によって変動します。最新の在庫と価格は在庫一覧ページでご確認ください。
冷凍食品もマルチくんで売れますか?
マルチくんは常温・冷蔵の物販向けで、アイスや冷凍食品のように本格的な冷凍が必要な商品には向いていません。冷凍食品を売りたい場合は冷凍自販機「ど冷えもん」が適しています。詳しくはど冷えもんを中古で導入するガイドをご覧ください。




