「FNS130とFNS136、どちらを選べばいいですか?」——富士電機の中型汎用自販機FNSシリーズのご相談で、私たち(じはんきや)が最も多くいただく質問のひとつです。そして選び分けのカギは、価格でもサイズでもなく**「品揃え」**にあります。
本記事では、標準18セレクション・収容138個のFNS136を1機種に絞って徹底解説します。確定している仕様の一覧、FNS130との具体的な違い、そして本記事の中心テーマである「18セレクションを何にどう割り振るか」という品揃え設計の考え方まで、自販機専門店の現場目線で整理しました。シリーズ全体の位置づけから知りたい方は、先に富士電機FNSシリーズとは?をご覧ください。
FNS136とは——18セレクション・138個収容の中型汎用自販機
結論から言うと、FNS136はFNS130と同じ設置面積のまま、中型クラスで一段多くの品目と収容量を確保できる汎用自販機です。スパイラルラック式なので、お菓子・パン・カップ麺・雑貨・アメニティといった飲料以外の商品を1台で販売できます。まずは確定している仕様を表で押さえましょう。
| 項目 | FNS136の仕様 |
|---|---|
| 名称 | 中型汎用自動販売機 FNS136(富士電機製) |
| セレクション数(標準出荷時) | 18セレクション(ダブルスパイラル 3列6段) |
| 収容数(標準出荷設定時) | 138個 |
| 最大セレクション数 | 36セレクション(ALLシングルスパイラル時) |
| 商品選択 | テンキー方式(シートタイプスイッチ) |
| 温度仕様 | 弱冷(18℃±3℃) |
| 設置条件 | 屋内仕様(直射日光の当たる場所は不可) |
| 本体サイズ | 幅90cm×奥行86cm×高さ183cm |
| 型番 | FNS136MRYS1(売切検知なし)/FNS136MRYU1(売切検知あり) |
型番末尾のMRYS1は売切検知なし、MRYU1は売切検知ありを表します。じはんきやの標準取扱はMRYS1で、売切検知付きをご希望の場合はお問い合わせください。メーカーの富士電機は、コールセンター・部品センターによる全国の保守・サービス体制を公式に掲げるトップシェアメーカーです。長く使う機械として、部品供給とサポート網のある現行機を選べる安心感があります。
FNS136は屋内仕様です。直射日光の当たる場所や雨がかかる屋外には設置できません。また庫内は弱冷(18℃±3℃)のため、10℃以下の保存が必要な要冷蔵食品や冷凍食品は販売できない点にもご注意ください。
FNS130との違いは「1段」——同じ設置面積で品揃えが約2割増える
FNS136とFNS130の違いは、突き詰めるとラックの段数が1段多いことに尽きます。この1段の差が、品目数と収容量の差になって表れます。
| 項目 | FNS130 | FNS136 |
|---|---|---|
| ラック構成(標準) | ダブルスパイラル 3列5段 | ダブルスパイラル 3列6段 |
| セレクション数(標準) | 15セレクション | 18セレクション(+3) |
| 収容数(標準出荷設定時) | 117個 | 138個(+21個) |
| 本体サイズ | 幅90cm×奥行86cm×高さ183cm | 同一 |
| テンキー・弱冷・屋内仕様 | 共通 | 共通 |
注目していただきたいのは、本体サイズが完全に同一という点です。設置に必要な床面積は変わらないのに、品目数は15→18、収容数は117→138個と、単純計算で約2割増えます。つまりFNS136は「置き場所は1台分しかないけれど、売りたい商品はたくさんある」という方のための機種です。逆に、売れ筋が絞り込めている方にはFNS130で十分なことも多く、その判断基準は後半で整理します。FNS130そのものの詳しい解説はFNS130徹底ガイドをご覧ください。
品揃えが多いことのメリットと、その裏にある実務
「セレクションが3つ増えるだけでしょう?」と思われるかもしれませんが、品揃えの幅は売上の構造そのものに効いてきます。一方で、増えた品目のぶんだけ運用の手間も増えます。両面を正直にお伝えします。
メリット:客層の幅が広がり、立ち寄る理由が増える
自販機の前を通る人の好みはバラバラです。甘いお菓子派・スナック派・軽食派・日用品が欲しい人——品目数が多いほど**「自分の買いたい物がある」人の割合が増え**、幅広い客層を取りこぼしにくくなります。また「あの自販機に行けば何かある」という期待感は立ち寄りの動機になり、特定の商品目当てに来た人のついで買いも生まれやすくなります。結果として、1台全体の商品の回転が上がりやすくなるわけです。
実務面:品目が増えるほど、調整と補充管理も増える
ただし、スパイラル式の汎用機は商品ごとにスパイラルの径・ピッチの選定と搬出テストが必要です。品目を増やすということは、その調整対象が増えるということでもあります。スパイラルユニットは1本数千円〜8,000円程度かかることもあり、無計画に品目を広げると組み替え費用がかさみます。仕組みと注意点はスパイラル式自販機とは?仕組みと落とし穴で詳しく解説しています。
補充・在庫管理も同様です。18品目それぞれの減り方を把握し、発注と補充のタイミングを管理する手間は、品目が少ない機種より確実に増えます。補充間隔が空きがちなロケーションでは、売切を機械が検知してくれる**MRYU1(売切検知あり)**を選ぶ価値が高まります。売切表示と実在庫の関係については、飲料機の例ですが売り切れランプの仕組みも参考になります。
FNS136の「品揃え設計」——18セレクションをどう割り振るか
ここからが本記事の中心です。FNS136を活かせるかどうかは、18セレクションの割り振り方=品揃え設計で決まります。私たちが機種選定のご相談でお伝えしている考え方を、手順に沿って紹介します。
セレクション数=品目数ではありません。品揃え設計とは**「何を・何フェース(何セレクション)で置くか」**を決めることです。18セレクションに18品目を詰め込むのは、多くの場合正解ではありません。
手順1:設置場所の客層から、品目を3層に分ける
まず、売りたい商品の候補を次の3層に分類します。
- 定番:その場所の誰もが手に取る主力商品。オフィスならスナック菓子や軽食類など
- 準定番:客層の一部に確実に刺さる商品。日用品・アメニティなど
- 実験枠:売れるかどうか試したい商品。季節品や新商品など
手順2:定番には複数フェースを割り当てる
売れ筋の定番商品ほど品切れの機会損失が大きいため、1品目に2セレクション(2フェース)以上を割り当てて在庫量を厚くします。たとえば「定番4品目×2フェース+準定番8品目×1フェース+実験枠2品目×1フェース=14品目で18セレクション」といった組み方です。品目数を欲張るより、売れる商品を切らさないほうが売上は安定します。
手順3:収容数から補充サイクルを逆算する
標準出荷設定では収容138個・18セレクションなので、1セレクションあたり平均7〜8個が目安です。「この商品は1日に何個出そうか」を想定し、補充に行ける頻度で間に合うかを確認します。間に合わない商品はフェースを増やすか、補充頻度を上げるか——ここで手順2の設計に立ち返ります。
手順4:品目を増やすのは、実売データが出てから
FNS136はダブルスパイラルをシングルスパイラルに組み替えることで、最大36セレクションまで品目数を増やせます。ただしコラムを分割するほど1セレクションあたりの収容数は減り、スパイラルの追加・調整の費用と手間も発生します。最初から36セレを目指すのではなく、標準の18セレで始めて、実際の売れ行きを見ながら組み替えるのが現実的です。じはんきやでは、販売したい商品に合わせたラック構成のカスタマイズと搬出確認までサポートしています。
FNS130とFNS136、どちらを選ぶか——3つの判断基準
品揃え設計の考え方を踏まえると、FNS130との選び分けは次の3つの軸で判断できます。
| 判断軸 | FNS130が向く方 | FNS136が向く方 |
|---|---|---|
| 扱いたい品目数 | 15セレクション以内で収まる | 16品目以上並べたい/定番×複数フェース+実験枠を確保したい |
| 補充頻度 | 店頭併設などでこまめに補充できる | 補充間隔をあけたい(収容138個の余裕を活かす) |
| 売れ筋の絞り込み度合い | 売れる商品が固まっており、絞って厚く売りたい | 客層が幅広い/これから売れ筋を探りたい |
設置面積・温度帯・操作方式は共通なので、場所の制約では差がつきません。「何品目を・どれくらいの手間で売るか」という運用の設計で選ぶのが正解です。なお、常温物販が中心で屋外(軒先など)も設置候補になる場合は、FNSシリーズではなく屋内外兼用の多用途自販機という選択肢もあります。詳しくは物販自販機「マルチくん」で始める無人販売をご覧ください。
まとめ:FNS136は「品揃えで勝負したい人」の機種
最後に、本記事の要点を整理します。
- FNS136は標準18セレクション(ダブルスパイラル3列6段)・収容138個の中型汎用自販機。テンキー・弱冷(18℃±3℃)・屋内仕様・幅90cm×奥行86cm×高さ183cm
- FNS130との違いは段数が1段多いこと。同じ設置面積で品目数+3・収容数+21個(約2割増)
- 品揃えの幅は客層のカバー範囲と機械全体の回転に効く。一方で品目ごとのスパイラル調整・補充管理の手間は増える
- 活かすカギは品揃え設計。「何を・何フェースで置くか」を3層分類とフェース配分で決め、拡張(最大36セレ)は実売データが出てから
- 選び分けは品目数・補充頻度・売れ筋の絞り込み度合いの3軸で。迷ったら運用体制ごとご相談を
FNS136の詳しい情報・在庫はFNSシリーズ特設ページにまとめています。「うちの商品構成なら130と136どちらが合うか」「この商品は搬出できるか」といったご相談は、購入・お見積りフォームからお気軽にお問い合わせください。売りたい商品と設置場所に合わせて、ラック構成のご提案からお手伝いします。




